先生と2ケツ。駄文付きですー↓





−−−−−−−−−− 開始 −−−−−−−−−−−
「乗れよ」
先生が僕にヘルメットを投げてよこした。

時刻は9時をとっくに回っていた。
日直と、この銀八先生の世話で、気付いたらこんな時刻になっていた。
だってこの先生ってば、国語準備室は1週間でゴミ屋敷にするし、先月のテストの採点すらやってない駄目教師なんですから。
こんな時刻だから、校舎には教師が2、3人しかおらず、生徒は僕一人。
「志村、送って行ってやるよ」
先生の好意に、僕は甘える事にした。

「先生がノーヘルになるじゃないすか」
「ああ?頭固いからイインダヨー」
「うっぜ」
「ひっで。大体な、50ccのスクーターで2ケツしてる時点でつかまるっつーの」
「じゃあわざわざ送ろうとしなくていいですよ」
僕は先生にヘルメットを返すが、先生は受け取らなかった。
「俺が送ってやるっつってんだ。ガキは素直に大人に従ってなさい」

夏とはいえ、学生服のままだと夜は冷える。
スクーターに乗っていたら、それは当たり前で。
だけど、先生のお腹に回した手が、とても熱く感じる。
僕の家まであと少し。幸い警察に見つからずに済みそうだ。
見慣れた信号が赤いランプを点して、先生は止まった。
「なあ、志村」
ヘルメットをしているせいか、先生の声はくぐもって聞こえる。
「?なんすか、先生」
「お前さ、好きな子いんの?」
「え?すきなこ?」
「いんの?」
急にふられた浮いた話に、僕は動揺した。
「いませんよ、そんなの。バイトで忙しくて作る暇もないですから」
動揺を隠して言えただろうか。
だって先生、僕の好きな人は、決して好きになってはいけない人なんだ。
「ふーん…淋しい青春だなあ、お前」
「うるっさい。…先生はいるんですか?恋人とか好きな人」
「いるよ」
即答された。そして、信号が赤から青に変わった。
「僕の知ってる人ですか?」
「…」
先生は答えなかった。無言のままスクーターが走り出した。

「送っていただいて、ありがとうございました」
無事に家に着いた。姉はまだバイトらしい。玄関に電気は灯っていなかった。
「ああ。じゃ、またな」
先生がヘルメットを被って、発進しようとした。
「あ、志村」
「なん…」

キスされた。

「アレ、お前だから」
「…へ?」
「俺の好きな奴。新八だから」
初めて名前を呼ばれて、またキスされた。

「僕もアンタが好きですよ」と言うセリフが言えたのは、このキスの後だった。
−−−−−−−−−− 終了 −−−−−−−−−−−



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